イスラエルのワイン造りで注目が高まる地中海沿岸のブドウ品種
- 2019.03.10
- イスラエルー赤ワイン
- 南フランス, 地中海品種

イスラエルは地中海の東端に位置し、地中海性気候に加えてテラロッサ土壌が広く分布する環境がありまして、ワイン造りの近代化が始まった1880年代には、イスラエルには地中海地方(環境が似ている南フランス)のブドウ品種が向いているとの理解がありました。
昨今のイスラエルのワイン造りにはこの特徴に回帰する傾向も見られます。
ここで注目されている品種としては、赤ではカリニャン、グルナッシュ、プティ・シラー、ムールヴェードル、そしてシラー(シラーズ)、白ではヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌなどが挙げられます。

当店で販売しているワインの中でこれらの範疇に入るものとしては、
・プサゴットのピーク、
・カーメルのその名もメディテレーニアン(地中海という意味ですね)、
・ペルターのシラーズ・グルナッシュ
が挙げられ、いずれも皆様から高い評価を得ているワインところです。
またメルマガなどでご紹介いたしました、 チューリップ・ワイナリーの姉妹ワイナリーであり、 地中海沿岸のブドウ品種に特化してワイン造りを始めた マイア・ワイナリー(MAIA winery)にも注目をしていまして、 地中海品種に関わるワインがさらに増えると予想しています。
従来のボルドースタイルのワイン造りからちょっと離れて、 これらの地中海沿岸のブドウ品種への関心は今後とも広がるでしょうし、 イスラエルワインの主要な傾向の一つとして 注目していきたいと思っています。
そんな中で取り上げますのはカーメルのメディテレーニアン

試飲会などではいつも高い評価をいただいていましてね。カーメル・ワイナリーが地中海沿岸の品種を強く意識して作り上げたワインです。
使われているブドウはシラー 40%, プティ・シラー 18%, カリニャン 18%、プティ・ヴェルド 18%, マルベック 4%, ヴィオニエ 2%と、ずいぶん多様です。マルベックはボルドー系ですが、それ以外は全て上述に挙げた品種になります。
各ブドウはイスラエルで最高のブドウ生産地域と言われる上ガリラヤ地方、カーメル山麓にあるジフロン・ヤーコブ、そしてジュディアンヒルズにあるブドウ園で育てられています。
ブドウ毎に別々にワイン造りが行われ、各々7ヶ月間の熟成の後に最適なブレンドが施され、フレンチオーク樽に戻されてさらに8ヶ月間の熟成を経て瓶詰めされています。
優しくエレガントなその味わい

色合いは深みのある紫色が漂う濃い赤紫色で、 プラム、ブラックベリーの柔らかく濃密な果実香、 森の下草や湿った土壌の落ち着いた香りが漂います。
綺麗な酸味にしなやかなタンニン、そして丸みのある柔らかな果実味、 これらが繊細でエレガントなバランスの良さを際立たせ、 豊かな味わいを漂わせながら品の良さを醸し出しています。
優しく柔らかな味わいの中にも しっかりとした骨格が存在感を主張していて、 魅力に溢れた味わいに仕上がっているのです。
生産者であるカーメル・ワイナリー
カーメルは、ボルドーのシャトー・ラフィットの所有者であったエドモンド・ドゥ・ロスチャイルド男爵によって1882年に設立されました。地中海を見下ろすカルメル山麓南側斜面のジフロン・ヤーコブにある、商業ワイナリーとしてはイスラエルで最も古くかつ最大の歴史的ワイナリーがその活動の中心となっています。
カーメル・ワイナリーは長年イスラエルでNO.1の地位を占めており、フラグシップワインのリミテッド・エディションやメディテレーニアン、またイスラエルで最大の販売量を誇るブランドであるセレクテッドなど、様々なスタイルのワインを生産しています。
*詳しくはこちら:『カーメル・ワイナリー』
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