イスラエルのネゲヴ砂漠で栽培されるピノ・ノワール
- 2014.03.31
- イスラエルー赤ワイン
- ネゲヴ, バルカン, ピノ・ノワール
繊細で気難しく、作り手泣かせの品種として知られる一方で、ワイン作りに携わる
誰もが魅了されるとも言われるピノ・ノワール。これを最初にイスラエルに持ち込
みましたのはラトルン・ワイナリーで、その後のゴラン・ハイツ・ワイナリーの先
駆的活動を経て、今では幾つものワイナリーがピノ・ノワール作りの挑戦を続けて
います。
そんな中で、『我々は、ピノ・ノワールに最適な、温暖な昼間と冷涼な夜間の絶妙
のバランスを見つけた。』と胸を張るのがバルカン・ワイナリー。
冷涼で乾燥した気候が向いていると言われるピノ・ノワールにはイスラエル北部の
ゴラン高原地域が最良と考えられてきましたが、彼らがピノ・ノワールの栽培を始
めたのはネゲヴ砂漠にあるミツペ・ラモン・ブドウ園でした。
バルカンのエントリー・レベルに位置するクラシック・シリーズの一つとして出荷
されているピノ・ノワールですが、実は数多くの記事に取り上げられていて、市場
でも高い評価のワインへと成長しています。
ネゲヴ砂漠にあるブドウ園
色は透明感のある赤紫色。柔らかく濃密な花の香り、ほのかに甘い果実の香りが漂
います。
ただ抜栓直後の1杯目は少々酸味が強めの幾分酸っぱいとも感じられる味わいで、
これは忘れた方が良さそうです。何せこの少々強めの酸味を通り抜けた、2杯目以
降には素晴らしい味わいが広がるのですから...
口に含むと、チェリー、木イチゴ、ざくろなどの柔らかな果実風味が広がり、
舌触りはとても滑らか。
繊細で、透明感のある酸味が心地よく広がる爽やかな味わいが堪りません。
控えめな渋み、
微かに湧き上がるスパイシーな香り、
あとから現れるほのかな果実の甘味と共に続く長い余韻、
時々土の香りも見せる野性味...
飲んでいて飽きない、様々な顔を見せる複雑味溢れるピノ・ノワールです。
参考:『ピノ・ノワール:ヴィトキン・ワイナリー』過去ログはこちら。(2013.3.15)
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