付いた名前がダイヤモンドで、カベルネ、メルロ、シラー、プティ・ヴェルドのブレ
ンドですからね。『これは重たいワインだろう』と最初から構えて栓を開けるのですが、
果たして、湧き立つカベルネの香りにとても濃厚で凝縮感のある味わいが広がります。
ただカベルネ中心の美味しい味わいに違いないものの、華がありません。
The Chosen シリーズの他のワインと比べてもちょっと物足りなさを感じながら『やは
りこれは少し待った方が』と思い直し、ちびりちびりと口に含みながら持久戦を覚悟
し始めた頃の事...
そうは言っても栓を開けて2杯目の最後の辺りですから、時間にするとほんの30分も
経った頃でしょうか、状況が一変します。カベルネが『失礼しました。出しゃばり過
ぎました。』と少し奥に引き下がると、俄然全体のバランスが良くなって、澄んだ果実
風味の漂う素晴らしい味わいが広がり始めるじゃありませんか。
色も、最初は少し紫がかっていた印象なのですが、赤味が増してきたように感じるから
不思議です。宝石の名前の付いたシリーズでは、「サファイア」もブレンドで透明感の
ある素晴らしい味わいでしたが、「ダイヤモンド」はさらに深み、重み、奥行きがあり、
透明感と共により濃厚な味わいと品格を漂わせています。
カベルネが奥の方から存在感を漂わせ、
メルロやシラーも顔を覗かせては豊かな香りや気品を添え、
そしてプティ・ヴェルドの演出でしょうか、妖艶な複雑味や奥深さを感じさせて、
素晴らしい調和と美しさの広がる、感性を刺激する豊かな味わいのワインです。
ただしこの味わいを楽しむには、抜栓後、グラスに1/3ほど注いでボトルの肩口まで
空けて、この状態で30分程度待ってから飲み始めることが肝要のようです。
お試しになりたい方はこちら:ビンヤミナ THE CHOSEN ダイヤモンド