1925年にロシアから移住してきたSegalファミリーが、イスラエル建国直後の
1954年に本格的にワイン造りを始めて設立したセガル・ワイナリー。
イスラエルの近代ワイナリーの先駆けの一つとしても知られていまして、
その後イスラエルで６番目に大きなワイナリーにまで成長していきます。
市場で高く評価されましたのが1977年に投入されたBEN AMI のブランドで、
もう一つのブランドShel Segal と共に、革新的なワインとしての地位を確立
していきます。
特に赤ワインは高い評価を得ていて、1980年代初期にはイスラエルで最高の
赤ワインと見なされていたそうです。
2001年にはバルカン・ワイナリーの傘下に入る事になりますが、その後も独立
した運営が続けられています。
そんな歴史を持つセガルの赤ワインから、今回取り上げましたのがBEN AMI
カベルネ・ソーヴィニョン。
色は透明感のある濃いめのルビー色で、雫が幾筋もグラスの壁を流れ落ちます。
そして甘さも漂う凝縮感のあるベリー系の香り。
空気を含ませると下草の香りにスモーキーな樽香の香りも混ざり合います。
豊かな果実風味に酸味は控えめで心地よく、渋みはほとんど感じさせません。
日の光を十分に浴びて育ったことを窺わせる、ほのかな甘みも漂う軽やかで
明るい味わいです。
そして二日目になってさらに空気と触れ合うと、その味わいは益々輝きを見せ始め
ます。
果実の甘みは幾分抑えられて奥深さを感じさせ、渋みと言うよりも柔らかな苦みが
入り混じった複雑味が広がり、全体を包み込む何とも心地よい果実の酸味が後味を
引き締めます。全体のバランスの取れた素晴らしい味わいで、セガル赤ワインの実力
を存分に窺わせるBEN AMI カベルネ・ソービニョンです。
抜栓直後から素直に楽しめる優しい味わいで、日々の食事と共に楽しむワインとして
も最適でしょう。
