南アフリカから持ち込まれたピノタージュ
ピノタージュは南アフリカで作られたピノ・ノワールとエルミタージュの交配種
であり、これを最初にイスラエルに持ち込んだのがバルカン・ワイナリーである
ことは以前にも記しました。
リザーブ シリーズにあるピノタージュが素晴らしい味わいで気に入っていた
のですが、『スペシャル リザーブ シリーズに吸収されてしまったようだ』
との連絡がイスラエルに行っている友人から届きます。
このスペシャル リザーブ、<ワイナリーが長年挑戦し続けてきた、そのブドウ
品種にとって最良の土壌と最良の気候を見つけ出し、そこへ最高の品種を育てる
事でなしえるユニークなワイン>と謳われていて、リザーブの在庫も無くなった
事ですし、『とにかく試すしかない!』と、手元にあるボトルを開ける事にします。
色は赤味の強い、濃いルビー色が魅惑的で、ヴィンテージは2010年。
少し重い香りの中に上品なヤニの香り、土の香りが流れます。
赤系小粒のまろやかな果実の酸味が広がり、ほのかに甘味も漂います。
後から湧き上がる穏やかなスパイスの刺激、そして余韻に残る柔らかな渋み...
全体的に柔らかな口当たりで、とがったところのない、マイルドな果実風味が
広がります。
濃縮感は無く、素朴さの漂うさらっとした趣の味わいで、あまり主張しない
まろやかなタンニンが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。静かに安らぎを
楽しむような場面に合いそうなワインです。
一方、リザーブ シリーズのピノタージュは口の中ですっと溶けて消えていく
ような柔らかな果実風味が特徴の味わいで、余韻に続く可憐で上品な味わいも
魅力的でした。個人的な好みですが旧来のリザーブ シリーズのピノタージュ
の方が好ましく、スペシャル リザーブの主張に馴染むにはちょっと時間が
掛かりそうです。
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