自然派志向のティシュビが造るシングルヴィンヤードの穏やかなワイン

自然派志向のティシュビが造るシングルヴィンヤードの穏やかなワイン

今回取り出しましたのは、ティシュビ・エステートシリーズの中で、
上位に位置する“シングルヴィンヤード”のプティ・ヴェルド。

プティ・ヴェルドと言いますと、
タンニンとスパイシーな香りを特長とする強い個性のため、
少量のみブレンドで使われる脇役でしかない品種とよく言われます。
この品種の単体ワインは珍しいと聞いていますから、
これが“シングルヴィンヤード”のワインとして、
黒帯を配した重厚なエチケットと共に登場するのですから興味津々です。

ティシュビのシングルヴィンヤード・シリーズ

早速開けて見ますと、
光を通さない、色は濃く黒っぽい赤紫色。
色合いとは裏腹にスミレの花のような紫色の花の香りが漂い、
柔らかな風味に奥ゆかしさを匂わせながら、自然な感覚が広がります。
そしてマイルドな酸味に濃厚な口当たり。
重心の低い、柔らかくもどっしりとした味わいです...

後からゆったりとタンニンが流れ、
派手さや物が溢れた都会の印象とはちょっと違う趣です。
自然の草や木々に囲まれた森の山小屋の中で、
薪が燃え、静かにゆっくりと時間が流れる、
そんな雰囲気を醸し出してくれるのです。

料理も、幾分野性的なシチューやジビエが思い浮かびます。
ティシュビの食への拘り、繊細さがそう感じさせるのでしょうか、
自己主張をせず、料理との最高の組み合わせを演出してくれそうです。

ティシュビのプティ・ヴェルド

あくまでもマイルドで穏やかな味わいが、
心地よさと共に静かに落ち着いた魅力を放っていて、
世の中の評判とはちょっと違う、
何とも魅惑的なプチ・ヴェルドじゃありませんか。
他はどうなのかも含め、今後とも注目して行きたいところです。


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