ヴィンテージから8年目を迎えたティシュビ・エステートのメルロー

ヴィンテージから8年目を迎えたティシュビ・エステートのメルロー

イスラエルワインは大体早飲みされてしまいますからね。ヴィンテージから8年目、9年目を迎えるワインに出会えることはなかなかありません。

過去に10年目を迎えたカベルネについてはご紹介したことがありますが、意外にメルローについては話題にしてこなかったものですから、今回はティシュビ・エステート|メルロー2011を取り上げてみました。

このメルロー2011が、レストランなどからちょっと驚きを持って受け入れられるのも、やはりその珍しさからでしょう。もちろん味わいが素晴らしくなければ話題に上ることはありません。

ティシュビ・エステートのメルロー

このメルローは、イスラエル南部に広がり国土の半分を占める、ネゲヴ砂漠にあるヴドウ園で収穫されたメルロー種100%の赤ワインです。ブドウ園のあるスデ・ボーケル地区はネゲヴ高地に位置し、標高は700m~1,000m、砂地のローム層の土壌が広がっています。

日中は暑く、夕方から夜には冷たい空気に包まれる寒暖差の激しい気候の中でのブドウ造りが続けられています。イスラエルの持つ点滴灌漑技術が、こんな砂漠でのブドウ造りを可能にしているんですね。

そしてこのワインは最初の圧搾で得られるジュースのみを使用して造られ、オーク樽で12ヶ月間熟成の後にノンフィルターで瓶詰めされています。

ティシュビ・エステートのメルロー

食にこだわりのあるティシュビが造る...

エステート・シリーズのノンフィルターワインですからね。そしてヴィンテージから8年目を迎え、酸味、果実味、タンニンの渋みなど全てが心地良く溶け合った、落ち着いた雰囲気が漂い、繊細な口当たり、繊細な余韻が流れ、これに砂漠の砂地を思わせるテロワールの香りも重なって、自然志向のワイン造りが息づく澄んだ味わいが広がります。

果実の甘味を品良く抑え、しっとりと深みのある、そして深い奥行きを感じさせる味わいが実に心地良く、全てがちょうど良く溶け合った、バランスの良いお洒落な味わいのメルローなのです。

もっともこのメルロー2011の味わいは、

※ 若々しさや、しっかりとした果実味がお好きな方にはおすすめできません。

※ フルボディの濃厚な味わいを求める場面には不向きでしょう。

少し時間の余裕があって、幾分淡泊な品の良い料理ととともに、ゆったりとお過ごしになるときにピッタリの1本なのです。

あとがき

そもそもワイナリーの出荷ミスで送られてきたヴィンテージ2011年でして、もう他では手に入らないでしょう。在庫数もだいぶ減ってきまして、9年目、10年目を迎えるのはなかなか難しそうな気配です。今や希少となったこのメルローの、お洒落な味わいをお楽しみになりたい方はこちらから:

『ティシュビ・エステート|メルロー【ミディアムボディの赤ワイン】』